京都鞍馬口にて八十余年にわたり鮮魚を扱ってきた老舗の魚店「西浅」

社長挨拶

 

社長からのご挨拶

 

 

 「季節に関係なく○○を食べたい」「自宅のキッチンが汚れるので、"後は焼くだけ"という状態まで捌いておいてほしい」「焼き加減、味付けがわからないので、完成品である魚惣菜をおいてほしい」  

これらはお客様からのご要望です。当社はお客様第一主義を貫き、これらのご要望にお応えすることにより、お客様のご支持をより多く頂戴することができました。いわば、"お客様に喜んでもらえればもらえるほど、会社も伸長する"という小売業の真髄・やりがいを実感しながらここまで来たわけですが、「何か違うな・・・」「この先これではいけないな・・・」と感じています。  

季節に関係なく魚を食べてもらうために、安価で安定した養殖品や冷凍品が発展・普及しましたが、旬を迎えた天然の"本物の味"はどんどん遠ざかっていますし、"人間が管理できる"ようになったために産地偽装なども多発するようになりました。お客様の手を煩わせないようになりましたが、魚の原形がどんなものなのかを知らない、どのあたりに骨があるかを知らない人が増えてきています。

食卓に並ぶ魚惣菜は、味にハズレはないかもしれませんが、出来立ての美味しさには敵わないし、各ご家庭で伝えられてきた"お母さん"の味付けは忘れ去られていくでしょう。

 "お客様第一主義"が間違っていたわけではありません。"短期的なお客様利益にしか目がいかなかった結果、長期的なお客様利益や継承すべき伝統文化が失われつつある"のです。

 "今日お客様に魚を買っていただく"という観点だけではく、"魚食という伝統文化をいかに楽しんでもらうか"という大局的観点にたち、我々西浅はこれからも一歩ずつ歴史を積み重ねていきたいと思います。

平成22年 7月吉日

 

株式会社 西浅
代表取締役社長
児玉 周